壁画技法

※写真は、SPARX Asset Management新社屋壁面への漆喰削画の様子です。

工程1:下絵(カルトーネ/cartone)制作

壁画面への原画トレース方法は中イタリアルネサンス時代(約600年前)と同じでカルトーネを作り ます。原寸大原画に先の尖った道具を用いて、原画輪郭線に沿って点線になるよう、連続した穴を開け ます。

工程2-3:下地塗り(アリッチョ/arriccio)-上層石灰マルタ塗り

左図:下層への彩色は、ブオン・フレスコの論理で、生乾きの石灰層に手早く水溶き顔料を染み込ませ ます。(壁画さ組オリジナル手法=ブオン・フレスコ塗装) 右図:上層部への石灰マルタ塗り風景(左官職人)。フレスコ彩色した下層が乾燥した後、肌理細かな 石灰マルタを均等厚み(2-3mm)で覆っていきます。

工程4:下絵の転写 粉打ち(スポルヴェロ/spolvero)

色粉を軽く叩いて穴から石灰マルタ面へ転写する作業。アナログ感たっぷりです。

工程5:掻き出し、削り出し(ズグラフィート/sgraffito)

あとはひたすら削るのみ。表面が乾燥してくると堅くなってしまい削れなくなりますから、時間との競争 です。左官職人さんが上層石灰マルタを塗るやいなや追いかけるように作業を進めなければなりません。 1日で45mもの壁面を削りきるためには人海戦術しかありませんね。(笑)

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